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「人間革命」を読み解くカギは「宿命転換」だ

南無妙法蓮華経の題目があれば… 人間革命を読む②

日蓮の仏法

 それに対して、日蓮の仏法は、それを根本から解決する宿命転換を説いている。

 日蓮は、膨大な文章を残しており、それは「遺文(いぶん)」と呼ばれる。その遺文の一つに「佐渡(さど)御書(ごしょ)」と呼ばれるものがある。これは、佐渡に流罪(るざい)になった日蓮が、最初に居た塚原(つかはら)という場所で記したものとされる。

「佐渡御書」で、日蓮は、佐渡流罪を含め、自らにふりかかってきた数々の災難は、過去世において『法華経』を誹謗(ひぼう)したことによるものととらえた。

『法華経』に対して謗法の罪を犯したのなら、現在世において、『法華経』に帰依し、正しい仏法に従い、それを広めていけばいい。それによって現在世において宿命転換を果たすことができる。それこそが日蓮の仏法であり、その根本には「南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)」の題目がある。

 SOKAnetでは、『法華経』の結びの経典となる『普賢経(観普賢菩薩行法経)』にある、「衆罪は霜露の如く 慧日は能く消除す」という文章を引用し、「自身の生命に霜や露のように降り積もった罪障も、南無妙法蓮華経の題目の慧日(智慧の太陽)にあえば、たちまちのうちに消し去ることができる」としている。

<『「人間革命」の読み方』より構成>

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  • 島田裕巳
  • 2017.12.09